青森県は、歴史的経緯と交通不便により、城下町弘前を中心とする津軽藩領、北海道開拓の物資積出しで発展した青森港周辺部、商港八戸を擁する南部支藩領(および下北半島)という3つの文化圏が並立し、この各エリアに北海道・東北他県をどう繋げるかが旅設計のテーマとなる。史跡としては、最も早く拓けた十三湊(津軽安東氏の貿易拠点)に名残は無く、全国区は弘前城(桜の名所)と青森港エリア(青函連絡船)くらいか。とはいえ「大間の本マグロ」を筆頭に海の幸の豊かさは全国屈指、「青森ねぶた」「弘前ねぷた」は全国から観光客が集まる有名イベントで開催期間中でなくても味わえる仕掛けが随所にあり。鉄旅派に垂涎の五能線も含め、気候と景色と人情をのんびり楽しむのが青森旅行の基本だろう。また、青森県は意外な温泉地で、本八戸駅周辺など意外な場所に温泉ホテルがあるので要チェック。なお、下北半島や津軽半島の踏破ツアーは、本当に何もないうえ交通超不便ゆえ、お勧めしない(恐山の特殊需要は別枠)。
青森港・青函連絡船八甲田丸
私評

青森港は、北海道開拓の積出港として栄えた青森市の原点、JR駅を出た途端に港と海が広がる奇観は県都クラスでは青森くらい。青函連絡船八甲田丸は見応えある史跡名所で、埠頭公園の散策も楽しい。私事だが、かつて青函フェリーに乗った際、乗客の津軽弁が全く理解できないうえに、何故かほぼ全員が召上る茹で卵の匂いに辟易した記憶あり。
この場所に関係のある人物
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鎌倉時代から十三湊交易で栄え津軽を支配した安東氏全盛期の当主(蝦夷王安倍氏の裔を自称)、子孫は国替えで常陸三春藩5万石へ