「チーバくん」こと千葉県(下総国・上総国・安房国)は古代より水運の要衝で、常陸国と並ぶ「武士の本場」だが(平将門の父良将は佐倉の開拓領主)、日本史級の事績は意外に少なく、源頼朝挙兵時の主力を担った上総広常と千葉常胤、怪僧日蓮(出生地の安房小湊に誕生寺あり)、後北条氏の猛攻を凌いだ里見義堯くらいしか思い付かない。よって見るべき史跡は乏しいが、東京隣接立地とマイカーブームに乗じて観光業は大いに振興。江戸時代より観光PRが得意な成田山新勝寺は「車の厄除け」から初詣の風習を創始し、鴨川シーワールド、マザー牧場、ドイツ村などマイカー向けの観光施設が続々登場(「東京」ディズニーランドば千葉旅行とは別枠)。海ほたるの効果は今一つで千葉県各地には斜陽感が漂うが(特に食事処と宿泊施設に難あり)、房総沿岸は膨張する首都圏レジャー需要を満たす役割を果してきた。なお、ややマニアックになるが、成田線沿線には、房総のむら(意外に凄い歴史テーマパーク)、成田山新勝寺(観光寺の先駆け)、佐原(街並みと大祭)、香取神宮(下総国一宮)、銚子(醤油の利益で漁業都市を構築)、銚子電鉄(奇跡の濡れ煎餅)など旅心くすぐる見所が連なり、沿線ツアーもなかなか面白い。
海ほたる
私評

総工費1兆4