京都御所

平城京の山背にある山城国(京都府)は、渡来系豪族が拓いた新興地域で、秦氏(秦始皇帝の裔を自称)の松尾大社および賀茂氏の上下賀茂神社が最上格の上七社とされ今なお山城祖神として崇敬を集める。早良親王の怨霊を畏れる桓武天皇が風水シェルター平安京を築いたのが794年、1221年の承久の乱で武家政権に実権を奪われ、応仁の乱以降の戦国乱世を経て、江戸時代の京都は禁裏御領3万石・公家領を足しても10万石程に零落したが、町衆と職人が経済活力を維持し、1868年の東京遷都(奠都?)まで天皇と公家を擁する異色の大都市であり続けた。皇室・公家から大商人まで挙って東京へ去り、京都御所も興廃したが、岩倉具視ら公家華族が京都復興に巨大予算を投じ、西陣織の隆盛が支えとなって花街や食文化が花開き、高度成長と新幹線開通を経て世界に誇る観光都市へ躍進。方や、京都大学を中心に学術が興隆し(左傾化が玉に瑕)、産学連携も進んで京都はものづくりベンチャーの大産地となった(村田製作所、日本電産、任天堂、京セラ、ローム、オムロン、島津製作所…)。京都観光は神社仏閣・門前観光街の数こなしに陥りがちだが、ふと気に止まる雅びた(都びた)風情が京都の醍醐味。何でも美味い食とあわせて、そこはかとなき文化と歴史をテーマにほっこり旅を組立てたい。なお、総じて禅寺は紅葉、観光地は桜の名所となっており、混雑しない穴場名所を探すのも京都観光の楽しみ方の一つ。

私評

定番

京都御所は、「旧皇居」とは言わない京都市民の憩いの場。目の感覚が狂うほど広大な敷地に白い砂利の景観。史跡としては、蛤御門(禁門の変)・梨木神社(三条実美)・猿ヶ辻(姉小路公知暗殺)などがある。また、丸太町橋辺は桂小五郎が幾松と遊んだ三本木遊郭の跡地、散策ついでに足を延ばしたい。

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