兼六園・金沢城跡

加賀といえば一向一揆。群小土豪が割拠する北陸にあって、一向衆を擁する蓮如が最大勢力となり加賀守護富樫家の継嗣争いに介入、富樫政親の裏切りに遭い蓮如は吉崎御坊を去るが、宗徒が暴徒化して一揆を成し1488年 守護富樫政親を攻め滅ぼして加賀国を制圧。朝倉宗滴に南進を阻まれるも(九頭竜川の戦い)、加賀一向一揆は尾山御坊(金沢御堂)へ本拠を移して北陸全土へ勢力を伸ばし、石山本願寺と連携して織田信長に対抗、1580年の顕如降伏・一向一揆解体まで90年も日本史上唯一の「百姓の持ちたる国」を堅持した。本願寺顕如の降伏に伴い侵入した織田軍の佐久間盛政(柴田勝家の甥)が尾山御坊を毀って金沢城を興した後、賤ヶ岳の戦いで柴田を裏切り加賀・越中・能登の太守となった前田利家が入城(私見では「賤ヶ岳の小早川秀秋」)、子孫は徳川幕府に平身低頭を貫いて保身を果し、金沢は北陸前田王国120万石の首都として幕末まで繁栄を謳歌した。石川県の観光地は金沢城下に集中、北陸新幹線開通後は街がパンクするほどの人出だったが(特に食事処は完全にキャパオーバー)、コロナ後はインバウンド反動から立直れるか逆に心配な状況。他では、和倉温泉(+能登島大橋・七尾)に立寄るか、車旅なら輪島まで足を延ばすかといったところ。あるいは、在来線の便が良いので、意外に見所が多い福井県を経て京都へ抜けるコースも面白い。

私評

定番

金沢は北陸前田王国120万石の城下町。かつては復元櫓門しか無かった金沢城跡だが、新幹線開通後の観光客ラッシュに応じて諸々の観光施設が整備されている。歴代藩主が贅を凝らした「日本三名園」金沢兼六園は、北陸観光の大定番。スケールで岡山後楽園に劣り、梅園の分だけ水戸偕楽園に劣る印象だが、水の景色は出色。とにかく観光客が多過ぎてゆっくり見物できないのが残念。

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