甲斐国(山梨県)といえば武田信玄。甲府駅前の信玄巨像と桔梗信玄餅を双璧に観光PRも盛んだが、江戸幕府直轄防衛拠点(甲府城)としての長い歴史に洗われ、実際の史跡は武田神社(躑躅ヶ崎館跡)くらい、譜代領の例に漏れず甲府の街も個性が乏しい(ただし、明治維新期に甲信農村の生糸を横浜港へ運ぶビジネスが興隆し甲州財閥へ発展)。とはいえ、甲府近郊には新宿から中央線一本で行ける石和温泉があり、昇仙峡は再々訪れたくなる景勝地。方や「FUJIYAMA」「ヤマンバ」のテレビCMで火が付いた富士急ハイランドが牽引役となり、富士五湖周辺は重層的観光エリアを形成。河口湖・山中湖はモダンな旅館街に変貌し、吉田うどん、忍野八海など新興名所も続々。高齢化・健康寿命伸長も追風となって富士登山人気も陰りを見せない。近年では、甲州ワインが欧州で高評価を得たのを契機にブドウ園観光の人気が高まり、1993年には勝沼駅が「勝沼ぶどう郷駅」へ変身。宿泊施設・飲食店を含め甲府・石和温泉・猿橋などとの一体的観光地開発が進んで中央線観光人気が復活することを期待したい(『あずさ2号』ブーム以来の?)。なお、個人的には下諏訪温泉の常連客にて、山梨県は気が向けば途中で立寄るツアーアイテムとしての利用が専らです。
大月ベース・桂川ラフティング
私評

大月ベース・桂川ラフティングは山梨観光の穴場、料金は高いが、やってみると意外に満足感が大きい。川面から見る渓流は上から見るのと全く異なり非日常を満喫。食事処確保が難題だが、団体旅行に好適。