岐阜城跡

京都の防衛拠点である不破関・関ヶ原を擁する美濃国は、四方より街道が入混じる交通の要衝でもあり、裏を返せば外敵だらけの宿命。守護土岐氏が内紛で衰えるなか下剋上の代名詞 斎藤道三が国盗り敢行。土岐氏を担ぐ越前朝倉孝景・尾張織田秀信の連合軍を撃退し、国内の利敵勢力を一掃するが、嗣子斎藤義龍に殺され斎藤氏は自壊。道三女婿の織田信長が美濃を併呑し稲葉山城を岐阜城へ改名して天下布武へ乗出すも突然の本能寺に斃れ、城主の非業死が相次いだ岐阜城は三法師織田秀信を最後に廃城(蝮の呪い?)、美濃国・飛騨国は譜代小藩に細分化され個性と輝きを失った。岐阜県観光は、犬山から入って岐阜・関ヶ原・琵琶湖へ抜ける東海道本線コースと、下呂温泉・高山を経て富山へ抜ける高山本線コースが両軸。江戸時代を通じて城が無かった岐阜市には史跡も食文化も乏しいが、岐阜城跡の模造天守から見晴かす濃尾平野一望千里の眺望だけで足労の価値あり。大垣は美濃国最大 戸田家10万石の城下町の名残を留め、関ヶ原古戦場は観光開発が進んでハイキングコースを形成。一方の高山本線は、車窓の景色だけで旅する価値あり。下呂温泉は斜陽で寒々しいが、飛騨高山は日本最大級の街並み観光街となり、古川、白川郷など穴場名所も点在。他では、長良川鉄道(郡上八幡)、中央線(恵那峡・中津川宿)、明知鉄道(岩村城跡・明智大正村)など、岐阜県には鉄道ファンに嬉しいツアーコースも複数ある。

私評

推奨

斎藤道三・織田信長を筆頭に城主の非業死が相次いだ岐阜城は三法師織田秀信を最後に廃城、岐阜は尾張藩の領地となり(添物として加納藩もあり)城と大名が無いまま幕末を迎えることとなった。そのため岐阜には史跡も繁華街も乏しく、岐阜城天守は取って付けた模造品だが、それでも行きたい天下布武の絶景。ロープウェイが混むこともあり、復路は山下りに挑戦したい(記者は再難路の七曲口コースを20分で走破)。

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