阿波国・讃岐国は室町幕府三管領細川氏の富の源泉。四国探題を称する細川氏は阿波勝瑞城を拠点に四国全域へ勢力を延ばすも家督争いで弱体化し（永正の錯乱）、家臣の三好長慶が四国軍を背景に幕政掌握。が、三好政権は織田信長に滅ぼされ、本能寺の変の間隙を突いた長宗我部元親が阿波国を征服した。が、「元親の野望」は四国征伐で御破算、豊臣秀吉は創業の功臣 蜂須賀小六に阿波17万石をもって報い（元は尾張の地侍で川並衆・盗賊説もあり）、講嗣蜂須賀家政が勝瑞城を廃して徳島城を創建（竣工記念の無礼講が阿波踊りの起源とも）、三代目の蜂須賀至鎮は徳川家康の養女と共に淡路国を貰い徳島藩25.7万石の太守となった。吉野川流域で産する良質の阿波藍は、藩の保護政策もあって日本全国を席巻し、徳島藩は屈指の富裕藩へ発展。が、藩政改革も不要な恵まれた境遇の所以か、幕末の風雲にも波風たたず、明治時代に入ると和藍と共に衰退、山陽本線から懸離れた田舎県に甘んじることとなった。徳島県の観光は阿波踊り一本、平時の見所は誠に乏しいが、鳴門海峡・大塚国際美術館はなかなかの観光地で（大塚製薬は徳島県の誇り、地元還元に感心。他の全国区企業は日本ハム、日亜化学工業、ジャストシステム…）、定番の大歩危・小歩危は祖谷（平家落人集落）の秘境ブームで盛上りを見せている（バスなどの観光環境は未整備だが）。
淡路島
私評
淡路国は徳島藩の一部ながら、洲本城代家老稲田家の分国のような扱いで、幕末に稲田家臣の尊攘志士が反逆し、徳島藩の逆襲で大量粛清される庚午事変が発生。明治政府は淡路島を兵庫県に編入するが禍根は連綿と…。今は全く不人気なようだが、淡路と言えば人形浄瑠璃。南あわじに淡路人形座・人形浄瑠璃資料館あり、鳴門大橋ドライブのついでに立寄りたい。淡路城跡は奇妙な模造天守があるのみで（眺望は良いらしい）、淡路の他の見所というと、花さじき、明石海峡公園（花）、道の駅くらいか。なお、パソナの本社機能移転（地方創生?）が話題だが非常に胡散臭い、ニジゲンノモリは悪評芬々ゆえ覚悟の上で。
