東京は、政官財一極集中が著しい日本の首都にして世界一の人口を誇る「東京=横浜メトロポリタン」の中枢(人口38百万人。なお2位ジャカルタ34百万人、3位デリー28百万人…7位上海22百万人、8位ニューヨーク21百万人…)。徳川家康入府で江戸の歴史が始まり(八朔行事に微かな名残)、利根川東遷・日比谷埋立などの大土木事業により関東平野の大穀倉地帯を擁する巨大都市に変貌。土木工事で流入した労働者群が手配師や親方を頭に「町奴」を成し、不良貴族の「旗本奴」と相競いながら、セッカチで男伊達を気取る「江戸っ子気質」を醸成。維新後東京の主役は各藩主・志士を皮切りに一貫してニューカマーが占めるが、浅草を象徴とする東部下町エリアには江戸の風情と人情が色濃く残り、地方からの人口流入で膨張した西郊エリアとは別世界の感がある。史跡としては靖国神社参拝からの千鳥ヶ淵(江戸城)散策で事足りそうだが、巨大建造物、歓楽街、エンタメ、食文化等々、東京旅のテーマが尽きることはない。
靖国神社・千鳥ケ淵戦没者墓苑
私評

明治維新以来の戦没者246万6千余柱を祀る靖国神社は、東京旅行必訪の聖地。防長各地に点在する招魂社を集めて東京九段に移したのが興りで、音頭をとった大村益次郎の巨像は今も靖国神社のシンボル。遊就館は貴重な情報満載で見応え十分、練兵館跡もあり(長州藩御用達の剣術道場、塾頭の桂小五郎が剣名を馳せた)。身元不明者の遺骨を合祀する千鳥ケ淵墓苑(無縁墓地)への参詣もお忘れなく。帰路は神保町の古書店街とカレーを楽しみたい。