岩国城跡・錦帯橋

大内氏は6世紀に渡来した朝鮮王族の末裔で、平安末期には周防国を支配。南北朝合一に貢献し支鮮貿易で富強を築いた大内義弘は将軍足利義満の変心粛清に遭い、大内氏は幕府の干渉で逼塞するが、大内政弘が応仁の乱で躍進し山口は平安京を凌ぐ文化都市へ発展、嗣子大内義興は率兵上洛して足利義稙を将軍に復位させ周防・長門・豊前・筑前・石見・安芸・備後に君臨。が、子の大内義隆は出雲尼子氏に大敗を喫して文弱に溺れ陶晴賢の謀反に遭い滅亡(大寧寺の変)、その陶も毛利元就に滅ぼされ防長二州は大毛利の一部となった(厳島の戦い~防長計略)。が、嫡孫の毛利輝元は関ヶ原の戦いに敗れ中国王から防長37万石に転落、幕府を畏れ自ら僻遠の萩に閉籠った。そして幕末、長州藩士は260年を経ても関ヶ原の恨みを忘れず、吉田松陰・松下村塾の門人らが毛利敬親を担いで討幕路線へ邁進、高杉晋作・大村益次郎らが幕長戦争に奇跡的勝利を収め、木戸孝允が薩長同盟に踏切って明治維新達成、明治政府は薩長藩閥専制となり伊藤博文・協調路線と山縣有朋・陸軍長州閥の綱引きを通じて新国家の形が作られた。維新後の萩は静かな田舎町に戻り、志士達を育んだ城下の街並みがそのまま現存、松下村塾や明倫館も整備され(+萩温泉もあり)、日本史ファン必訪の良質観光地となっている。幕末長州藩の政事堂が置かれた山口もまた鄙びた田舎町だが、瑠璃光寺・サビエル記念聖堂・山口県政資料館など見所が多く、市街地に湯田温泉があるのも良い。方や長府~下関は意外な観光の穴場で、功山寺(真の明治維新発祥地)・長府歴史博物館(明治維新史の宝庫)・関門海峡(壇ノ浦の戦い~下関戦争~幕長戦争)・赤間神宮(安徳・平家鎮魂)・唐戸市場(河豚)・巌流島(宮本武蔵vs佐々木小次郎)など見所多数。山口県にはその他にも、岩国(錦帯橋と城下町)・秋吉台・秋芳洞(実は大田絵堂戦役の主戦場)・長門(角島大橋・元乃隅神社)・川棚温泉(瓦そば)などが広域に分布し、河豚などの海産物も誠に結構。

私評

推奨

岩国駅に着いたら先ずは寿栄広ラーメン(岩国市民のソウルフード)。錦帯橋は記者の花見名所No2(千鳥ヶ淵に次ぐ)。下からの眺めも秀逸で、ライトアップで更に引立つ。錦帯橋を渡れば城下町の風情漂う散策路、吉香公園~佐々木小次郎像(錦川で燕返し会得!は吉川英治の創作)~吉川史料館~吉香神社~横山へ。川西へ足を延ばせば清泰院(福原越後切腹)と宇野千代生家あり。宿泊は岩国観光ホテルがお勧め(中華料理が美味い)。気が向けば、岩国白蛇神社や錦川清流線ツアーもあり。

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